シナモンロールとカフェオレ

儚くも甘く美しい現実に 夢を見る

『意味のないドライブ』がいいぞ

 

先日、V6 『Crazy Rays/ KEEP GOING 』が発売になったが、この円盤、通常盤に収録のカップリングも含め総合的にめちゃめちゃ最高。なかでも、カップリング曲『意味のないドライブ』が、これ、めちゃくちゃいいぞ

 

(発売してしばらく、なんやかんや日常がドタバタだったので、ツイッターで「意味のないドライブ最高!!!」との言葉をいくつも見かけながらも、全然聴けてないまま日を過ごし、昨日ようやく聴いてみた。しばらくツイッターに感想をぽちぽちしてたがぽちぽちの域で収まらなかったのでメモ的にこっちに乱雑に綴っておこうと思い。)

追記:完結させないまま下書きに放り込みここから更に日にちが経ってしまい、だいぶ聴き込んだのちに加筆修正しました)

 

 

さて、何にそんなに痺れたんじゃということだが、

私的な解釈を曲の流れに沿って話していこうと思う。

 

まず

 

 

 

バッテリーが切れそう

携帯電話。無音の夜

ナビゲーションのない日々の合間に

ドライブに行こう

(『意味のないドライブ』歌詞より)

 

 

と、静かなサウンドの中森田さんの歌声で始まる。

ここだけで、脳内で情景描写ができていく。森田さんの歌はなんだかお芝居の語りみたいなところがあるなぁといつも思うけれど、まさにそんな感じ。

(余談だが「ナビゲーション」の声が三宅さんだと毎回脳が勘違いする)

 

忙しい平日、水曜日と憂鬱

あと2日経てば Fryday

都会のノイズさえも、振り切るように

アクセル踏んだ

(『意味のないドライブ』歌詞より)

 

この先、多分何度も言うと思うが、私的にこの曲の中で三宅さんが大優勝している。

 

ここで情景描写的には一旦完成する。まさに、忙しい平日の中で水曜日を迎えたときの、あの、「あぁ、今週折り返しか」という、よし!あと半分だ!と気合いを入れ直す気持ちをもちたいものの、まだ半分もあるのかとしんどくなる気持ちが勝ってしまった時の、もやっとした心情が想起される。その上で、この三宅さんの歌い方は泣ける。なんだ、この、忙しい週の真ん中特有のしんどさに染み渡るような、透き通ったサイダーみたいな声は……(泣)

 

三宅さん、歌い方が分かっていすぎて震えた。

特に「あと2日経てばFriday」。

聴き手の心情を掴んだ上でなきゃできないであろう歌表現。三宅さん…(涙)

 

 

そこから、岡田さんのボーカルによってスピード感を徐々に増していく。

 

岡田さんの声って不思議なんだけど、どこか都会的な音がする(私見)。全体通してこの都会的な洗練された感じのサウンドに、岡田さんの声はとても合うように思う。

 

歌詞で見るとたった一行なんだけど、ここの一行の展開で、先ほどまでの静かなトーンから一気にアクセル踏んでサビのあのノリにつながっていくところがなんだかドラマチックで、この展開の仕方がとても好きだ。

 

 

さあそしてサビだ。

ここでこの曲の(私的)もう1人の大優勝者、井ノ原さんの登場です。

 

意味のないドライブ 最高にしよう

切れそうな Ah

バッテリーの残量

ナビもなしの ドライブ

細かいことは今日はなしで行こうよ

僕とドライブしよう

(『意味のないドライブ』歌詞より)

 

この、井ノ原さんの、リズムへの食いつき方!!!!!!!!!

井ノ原さんのリズムの乗り方がさいっこう。最高オブ最高。心地よい。センス抜群。(語彙力皆無)

 

何がセンス抜群って、この曲が全体通してもつ「水曜日の気だるさ」の流れを維持しながらこんなにリズムに乗れる人います!???!!います!!!!!!井ノ原快彦っていうんですけど!!!!…という点で、だ。

 

そしてこの井ノ原さんを筆頭に続いていくサビのトニセンライン(勝手に命名)もまた秀逸。

 

続く長野さんのパートは井ノ原さんに比べリズムが落ち着くところだが、長野さん特有のあのやさしいしっとり感が、ちょうど今くらいの、初夏あたりに吹く夜風のようで、大変心地よい。(追記:書き始めた頃は初夏だった。今はもう既に猛暑)

 

そして坂本さん。最後の「明日もなんか頑張れそう」のテンションがこれまたセンスが良すぎる。気だるさと明るさのバランス。ここについては後ほど、2番サビのカミセンラインで同じ歌詞を担当している森田さんのパートと比較したい。

 

 

……と、ここまで聴いていくと、この曲全体の構成の話がしたくなる。

 

 この曲の全体を通した歌割りは、

 

1番Aメロ〜:カミセン(森→三→岡)

1番サビ:トニセン(井→長→坂)

2番Aメロ〜:トニセン(長→井→坂)

2番サビ:カミセン(岡→三→森)

大サビ:混合(岡→坂)

ラストサビ:混合(長→井→三→坂→森)

 

となっているが、

 

これをみると、この曲が、V6がトニセンとカミセンという二つのグループから成っていることを存分に生かした構成になっていることが感じられるのだ(私見)。

 

ほんと、あくまで私個人でこう解釈して勝手に楽しんでるって話なので、そのつもりでお読みいただければと思います(正解がないという前提でほかの人の解釈もメチャクチャ聞きたい〜お酒飲みながら。)

 

 

簡単に言えば、一人の人の中にある、

大人な部分=トニセン

若い(子ども心な)部分=カミセン

と捉えると、

曲のストーリーに奥行を感じられる(私見)。

更に6人それぞれのキャラクターだったり、声の雰囲気、歌唱表現も合わせると、尚のこと。

 

 

まず、

 

《1番Aメロ〜》(カミセン)

社会で働き、週の真ん中で疲れた大人がちょっと逃避行

(バッテリーが切れそうなのはスマホだけじゃなく、自分自身の疲れと掛けてる?)

(「ナビゲーションのない日々の合間にドライブ」=現実から離れて逃避行へ)

 

 

《1番サビ》(トニセン)

ドライブという大人な方法で気分を晴らしに行き、意味のない時間によって自分を取り戻そうとする。ここでの「ナビもなしのドライブ」と「細かいことは今日はなしで行こうよ」は、どこにも行くあてが無いままに現実逃避していく感じの意味合い

 

 

《2番Aメロ〜》(トニセン)

用事を思い出して、明日の朝も早いし帰るか、となる

(明日の朝?知らねぇよ!もっとドライブいこーぜ!的な若いノリもそうそうしていられない…という大人な感じ)

 

 

ふと、意味のない会話を笑える幸せに気づき、大人になった自分を自覚(トニセン)

(ここまで来て、ここからが本題という感じがする。このあたりでようやくこの主人公の、疲れきった心が解きほぐされ、動き始めた感じ。)

 

 

「嫌いな曲」でなぜかHIになる(トニセン)

(↑ここだけ読むとちょっとおもろい)(雑)

(ここの坂本さんも、1番の同部分の岡田さんとは違った意味で、この次の2番サビへの加速度を増していく感じがとてもいい。「最悪な水曜日」と、「キライな曲」が重なって、もはやちょっと面白くなって来ちゃう感じ。大人がちょっとハメを外したくなってきてる感じ。)

 

 

《2番サビ》(カミセン)

大人になった自分を自覚したことで反対に子どもじみた気持ちが湧き上がってきた(深読みしすぎか?)

ここでの「ナビもなしのドライブ」「細かいことは今日はなしで行こうよ」は、そのあとの「わざと遠回りしようか」からも感じられるように、ちょっとガキっぽくなって、どこにでも行けるぜ!みたいな、ちょっと遊びがでてきて楽しくなってくるような意味合い(さっき明日の朝早いから帰ろうとか澄まして言うてたやん!感。そことの対比もありつつ。)

1番の坂本さんの「明日もなんか頑張れそう」は、意味のないドライブをすることで自分にそう思わせようと言い聞かせるような意味も含む感じなのに対して、ここの2番の森田さんの「明日もなんか頑張れそう」はちょっと元気になってきて、ああ、なんか明日も頑張れそうかもな、と思い始めている感じ

 

 

《大サビ》

この「ウザい曲」のアウトロな感じで今週終わってくのか……w よっしゃ、もういっちょ!!!(坂岡)

(※ここの考察は雑すぎるのでもう少し考えたい) 

初めて聴いた時、「いや、「ウザい曲」てw」ってなった。そして、ウザい曲をもう一度だけプレイバックするという表現の意味合いがいまいちよく分かっていない。ニュアンスはなんとなく分かるけれども。)

 

 

《ラストサビ》

もういっちょ!といいつつ、帰路についている。ここでの、切れそうなバッテリーは、もうすぐこのドライブも終わりという時間的な意味合いを表現している感じがする。そして、あぁ、もう帰らなきゃなあ、明日もあるなあ、と思いながらも、この意味のないドライブの、何もない時間がなんだかいい時間だったなあと振り返っている感じ。(長井三)

(上記のようなストーリーを感じさせる「あああ 左に曲がらなきゃ」の井ノ原さん天才。そして三宅さんの「明日もなんか頑張れそう」も秀逸。)

 

 

(歌詞にはないが、ここの「Wow Wow……」的なところで、初めて6人のユニゾンが出てくる。ここで「意味のないドライブ」という小さな旅の終わりが近づいていることが感じられる)

 

 

 

そして、最後。

 

なんてゆうか…、ありがとう。

 

意味のないドライブ

なんてゆうか…、ありがとう

(『意味のないドライブ』歌詞より)

 

最初の「なんてゆうか…、ありがとう。」は坂本さん。

ドライブ付き合ってくれてありがとう。なんか明日も頑張れそうだわ。って、助手席の友達(?)に言う感じ。

 

そして、歌詞としては初めての6人ユニゾン

「意味のないドライブ」

ここで、ここまで6人がそれぞれ歌い演じてきた一人の中にある様々な気持ちがひとつになり、小さな旅が終わっていく。気持ちも落ち着いていく。

 

そしてそして、最後。森田さんの、

「なんてゆうか…、ありがとう」

 

ここには、先程の坂本さんのところにはあった句点が無い。

その表記と、森田さんの歌い方が相まって、

今夜のこの小さな旅は終わるけれども、また明日に向かって気持ちが向かっていく、また明日になれば仕事に行くんだ、という、逃避行から帰着し、現実の時間の流れのなかに身を戻したというような感じがする。

 

 

さて、これで曲は終わりなのだが、ここで唸らずにはいられなかったのが、

この曲が森田さんで始まり森田さんで終わってるということである。なんだろう。完璧過ぎません?この歌割り考えた方に金一封差し上げたい。お中元送りたい。ありがとうございます。

 

 

このような曲の構成、展開が、何ともドラマチックというか、ちょっとミュージカルみたいだなと思った。ものすごくストーリー性を感じた。

 

この曲そのものの良さももちろんあるのだが、ここまでドラマチックに仕上がるのは、メンバーの年齢の幅が広く、グループとしても歴史が長くなってきているV6が歌っているからこそだと思った。

 

私の脳内では、この『意味のないドライブ』のPVが完成しているのだが、機会があればぜひ、公式にPVを出してもらいたい。そして、ライブで聴きたいです。

 

ということで、ライブの開催のお知らせを心待ちにしつつ、その日まで、意味のないドライブを聴いて日々を乗り切ろうと思います。